古林先輩(東北大学平成12年入学)の七大戦の考察です。

facebook上に投稿されていたのですが、重要なデータなので、許可を頂いて、こちらに転載させていただきました。

 

 

 

2018年分

昨年に引き続き、気持ちが切れないうちに今年の七大戦を整理しよう。去年の戦力分析を見直してから観たので、今年の七大戦は去年以上に楽しめた。

まず取った選手を学年順に羅列する。()内は漢数字が学年、アラビア数字が取った数。


北大(2試合、9):

北口(四、1)、岡本(四、3)、小笠原(四、1)、川上(四、1)、中島(三、1)、三木(三、1)、中村(二、1)

 

東北大(3試合、9):

影山(四、2)、竹中(四、1)、月岡(三、1)、布施(三、2)、菅原(二、3)

 

東大(2試合、5):

山添(二、1)、岡(二、3)、真野(二、1)

 

名大(5試合、20):

石川(四、11)、浪崎(四、2)、松井(四、1)、安部(三、1)、菅沼(三、1)、Narantsatsral(三、2)、黒見(一、1)、小林(一、1)

 

京大(3試合、12):

細江(四、4)、松尾(四、3)、森(四、1)、吉村(二、3)、保田(二、1)

 

阪大(2試合、10):

伊藤(四、5)、桜井(四、1)、渡邊(四、1)、横塚(三、3)

 

九大(3試合、11):

衣笠(四、5)、仲原(四、3)、吉永(四、1)、末次(三、1)、正木(二、1)

 

 

ここで目につくのは名大石川選手の11勝という突出した数字。彼は5試合すべてで2人または3人を抜き、最後は引き分けている。通算は11勝5分、しかも九大戦では今大会でも活躍している衣笠選手を、阪大戦では昨年累計5人を抜いた文野選手を引き分け、抜いた後に相手の取り役を止めるという七大戦の理想を体現した選手だった。チームは優勝できなかったものの、個人的にMVPは彼だと思っている。

 

 石川選手以外では、阪大伊藤選手の5勝、九大衣笠選手の5勝、京大細江選手の4勝が複数の試合にわたって複数人数を抜いた結果であり、間違いなく今大会指折りの選手たちだった。東北大菅原選手と九大仲原選手はそれぞれ劣勢の中での3人抜きでチームを逆転に導き、爆発力を見せつけた。横塚選手は昨年の2点に続いて今年は3点、毎年点が取れるのは実力の証と言える。京大松尾選手と吉村選手は3試合に1点ずつ重ねての累計3勝、前述の3人抜きよりも目立たないが、チームとしてはかなり頼もしかったはず。北大の岡本選手と東大の岡選手は、初日敗退してしまったチームにあって、2人抜きする等その存在感を示していた。他にも、東北大影山選手と布施選手、名大の浪崎選手とNarantsatsral選手は2人を抜いており、他大学からは侮れない存在だっただろう。

 

 なお、取った選手の学年をみると、ここまでに名前が挙がった有力選手の多くは四年生である。各大学とも新しい取り役の育成が求められる中、医学部生であり来年も出場権を有する名大石川選手と阪大伊藤選手の存在は他大学からは脅威と言える。実際に出るかはわからないけど。

 

 去年と比べると、1勝以上した選手は去年37人、今年37人と同数だった。一方、大会を通じた累計勝利数は去年の65勝に対して今年は76勝となり、主管大学の初戦敗退に伴う試合数増があったことを考慮すれば1試合両チーム合わせて平均8.0勝で同数となった。これは、4敗すると勝つことが非常に厳しくなることを示しており、昨年と今年だけでサンプル数は少ないが、勝つための一つの目安とできるかもしれない。

 

 チームごとに見てみると、1試合あたりの平均得点数は北大4.5、東北大3、東大2.5、名大4、京大4、阪大5、九大3.67と、阪大が最も多いが、ほとんどの大学は4点前後で大きな差はない。東大だけが他の大学に比べて少なかった。名大と阪大は総得点の半数を1人が稼いでいるが、京大は最も得点をあげた細江選手が唯一得点できなかった名大戦にあっても松尾選手と吉村選手が1点ずつあげる等、複数の選手がコンスタントに得点をあげている。この複数人数による得点力が京大優勝の一因と言える。

 

 1試合あたりの平均失点数は北大7、東北大3.33、東大3.5、名大3、京大2.33、阪大3.5、九大5.33と、北大と九大が突出して多く、優勝した京大が最も少ない。最も平均失点が少ない大学が優勝したことや、最も平均得点が多い大学が勝ち上がるとは限らないのは昨年と同じ傾向であり、いかに失点を防ぐかが重要であるかがわかる。決勝での京大は、阪大との激闘直後で疲労が残るとはいえ、2試合で8点をあげた東北大をわずか1点に抑えている。また、抜いた選手は皆引き分けて終わっており、抜き返された選手はいなかった。総失点7も、3点をあげた名大石川選手を含めて、3試合45人を相手にして4人にしか失点していない。これは今大会では極めて少なく、京大の総合力の高さを表している。

 

 京大優勝の立役者を一人選ぶのは難しいが、細江選手が一回戦で二人を抜いて大将と引き分けて逆転勝利したことや、松尾選手と吉村選手が全試合で抜いた後に引き分けたことが印象に残っている。この3名がいなければ今年の京大といえども優勝は厳しかったと思う。彼らと、このような総合力が高いチームを作り上げた幹部および指導陣の皆様に敬意を評します。京大のみなさん、おめでとうございます

 

 

 

2017年分

今年の七大戦、男子は東北大学、女子は大阪大学の優勝で幕を閉じた。毎年七大戦初日に「どこの誰が強いんだっけ」と記憶を必死に辿り、初日の結果を見てから「そういえば彼だったな」とおぼろげに思い出すことが多い。1日経っても興奮冷めやらぬ今のうちに、今年の七大戦を整理しておこうと思う。東北大は女子が出てないので男子のみ。完全に個人的なメモです。

 

まず取った選手を学年順に羅列する。( )内は取った数。左から学年順。

 

北大(15):

手良向(6)、小山(2)、徳井(2)、小笠原(2)、小杉(2)、松本(1)


東北大(8):

小山(2)、中村(1)、角田(1)、布施(1)、大野(1)、山田(1)、菅原(1)

 

東大(4):

山中(1)、中村(1)、福島(1)、岡(1)

 

名大(10):

金子(2)、石川(4)、松井(2)、森(1)、森下(1)

 

京大(8):

関(1)、海野(1)、梅本(1)、安田(1)、櫻井(2)、細江(1)、松尾(1)

 

阪大(13):

大坪(2)、渡邉(2)、和田(1)、横塚(2)、文野(5)、上野(1)

 

九大(7):

三浪(1)、衣笠(6)

 

抜いた人数では北大の手良向君と九大の衣笠君が最も多くて6人、次いで阪大の文野君が5人、名大の石川君が4人。15人の抜き勝負ではオーダー次第で抜ける事もあるが、この選手らは間違いなく実力者と言って良さそう。他にも2人抜いた10人の選手も当然侮れない。元高校王者で昨年は東北大から4人を抜いた阪大の伊藤選手は今回1点も取ることができていない。個人的には名大の石川君が非常にいい柔道をしているように感じた。

 

東北大や京大の総得点は北大、阪大に比べて少ないが、勝ち星をあげた人数はむしろ多く、レギュラーの半数近くが得点をあげる等、特定のエースに頼らない試合をしていたことがわかる。来年も出場する選手が多いので、来年の大会前に見返そう。

 

1試合あたりの平均得点は北大が3.75点、東北大が2.67点、東大が2点、名大が5点、京大が4点、阪大が4.33点、九大が3.5点となり、主管校の名大が最も高い得点率となった。一方で優勝した東北大学は6番目でむしろ少ない。

 

一方、各大学の1試合あたりの平均失点は、北大が3.25点、東北大が1.33点、東大が4点、名大が4.5点、京大が3.5点、阪大が3.67点、九大が6.5点となり、東北大の失点が際立って少ないことがわかる。平均得点では最も多い名大は2番目に、最多得点をあげた衣笠選手を擁する九大は最も平均失点が多かった。東北大は典型的な総合力のチームであり、全員で堅く守り、得点は相手の隙に当たった選手が突く戦術で優勝したことを改めて実感した。

 

今回の東北大の優勝に殊勲賞をつけるのは難しい。得点した選手の多さもさることながら、失点の少なさはそれだけ守りの面で活躍した選手が多いことを示している。体格に劣り攻めることはできなくても、積極的に守ることで試合全体の流れを左右する選手になり得る、年を重ねるごとに七大戦の面白さがわかってくると感じる今日この頃です。